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相続税の物納制度とは

国税は金銭で納付することを基本としていますが、相続税は正当な理由があれば、納税者の申請によって一定の相続財産による物納が認められています。今回は、相続税を不動産で物納した場合のメリットやデメリット、物納の要件について解説します。


物納できる品目には優先順位がある

相続したもののすべてを物納に充てられるわけではありません。以下のように優先順位が決められています。

◆第1順位
国債、地方債、不動産、船舶

◆第2順位
社債(特別の法律により法人の発行する債券を含む。短期社債等を除く)、株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含む)、証券投資信託または貸付信託の受益証券

◆第3順位
動産

このほか、一定の価値を持つ美術品なども、所定の書類を提出することで物納の対象となります。


物納不適格となる不動産の条件

以下の条件にあてはまる不動産は、物納不適格とみなされます。

☑ 担保権が設定されている、またはこれに準ずる事情がある
☑ 権利の帰属について争いがある
☑ 境界が明らかでない
☑ 隣接する不動産の所有者などとの争訟によらなければ、通常の使用ができない
☑ ほかの土地に囲まれて公道に通じず、民法第210条の規定による通行権の内容が不明確
☑ 借地権の対象となっている土地で、借地権の所有者が不明といった事情がある
☑ ほかの不動産(ほかの不動産の上に存する権利を含む)と社会通念上一体として利用されている不動産、もしくは利用されるべき不動産、または2人以上の共有不動産
☑ 所得税法の規定に基づいて定められている耐用年数を経過している建物(通常使用ができるものは除く)
☑ 敷金の返還をはじめとした債務を国が負担することとなる不動産
☑ 管理または処分の経費が、相続税の収用額と比較して過大となるもの
☑ 公共の秩序や風俗を害するおそれのある目的や、社会通念上適切ではない目的で使用されている不動産
☑ 引き渡しに際して、通常必要とされる対応がされていない不動産
☑ 地上権、永小作権、賃借権、その他の権利を暴力団員をはじめとした反社会勢力が所有している


相続税は物納すべきか?売却して納付すべきか?

相続財産のほとんどが不動産の場合は、物納するのか、それとも一部でも売却して金銭で支払うのかと、迷う方が多いでしょう。

物納には、譲渡所得税がかからないというメリットがあります。また、不動産で物納する場合は、相続税で申告したときの評価額で納税します。不整形地や崖地、前面道路が狭い、広大すぎるといった「売りにくい土地」は売却価格が路線価を下回る可能性が高いので、物納したほうがお得かもしれません。

物納か売却かを判断するには、売却価格と納税額を比べるだけでは不十分です。測量や境界確定などの諸経費(物納の場合もこうした経費がかかります)も考慮し、総合的に検討する必要があるので、専門家の協力を仰ぐことをおすすめします。


参考:
No.4214 相続税の物納|国税庁