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国土交通省が商業用不動産に係る不動産価格指数の試験運用を開始

「平成27年度不動産価格指数の整備に関する研究会」(国土交通省)において、2016年から商業用不動産に係る不動産価格指数の試験運用を開始すると発表されました。住宅に関する不動産価格指数は、昨年3月よりひと足早く本格運用が始まっています。今回は商業用不動産に係る不動産価格指数の発表に至る経緯や、その背景について見てみましょう。


不動産価格指数の背景と運用に至るまでの経緯

近年の世界の金融・経済危機は不動産バブルがその発端であったと考えられ、かつ、その危機を拡大させてしまった一因として、不動産価格とその変動を適切に把握できなかったことが挙げられています。その反省点を生かし、日本だけでなく各国の不動産価格の動向を国際的な共通指針に基づいて迅速かつ的確に把握する目的で公表されたのが「不動産価格指数」です。不動産価格指数は実際の取引価格情報をもとに、物件の特性や立地による影響を除去し、統計的な操作を加えることで作成されます。2011年、まずは住宅に関する国際指針が作成され、これを受けて国土交通省は日本銀行や金融庁など関係各所と連携し、住宅の不動産価格指数を開発。昨年3月より本格運用されました。

そして、商業用不動産の不動産価格指数についても国際指針の作成が進められ、今回の試験運用に至ったのです。


商業用不動産価格指数の対象期間と算出方法

商業用不動産の価格指数は、下記を対象に算出されます。

・建物付きの土地【5区分】……「店舗」「事務所」「倉庫」「工場」「共同住宅」
・土地【2区分】……「商業地」「工業地」


ただし、都市圏については開始までに分類を検討することによって、必要なサンプルデータを継続的かつ安定的に収集できるよう図りました。

不動産価格指数の算出にあたり、対象となる期間は2008年4月以降。算出頻度については、商業用不動産は住宅用と比べてサンプル数が5~10%と少ないため、全国・都市圏別の指数は四半期ごと、都道府県別は年次ごとにすることで標準誤差を極力抑えられるよう考慮されています。ちなみに、四半期については2016年1~3月の取引データをもとに6月より算出を開始。2回の改定を経て、9月に確定するという流れとなります。

商業用不動産価格指数の算出方法については、品質調整や多くのサンプル数が必要なことを考慮して「ヘドニック法」が採用されます。このヘドニック法とは、立地条件や築年数といった不動産価格に影響する要素を排除することで品質の同一化を図るものです。また、アンケート調査に加えて、J-REITが開示する不動産信託受益権取引に係る情報も利用し、2010年1月~12月の算術平均値を100として基準化されます。


参考:
商業用の不動産価格指数、16年から試験運用へ/国交省|R.E.port
不動産価格指数(商業用不動産)について(PDF)|国土交通省