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上場企業の不動産売却が増えている理由とは

いま、国内の不動産市場が熱を帯びています。東京商工リサーチによると、2014年度に国内不動産を売却または引き渡しをした企業は、東証1部と2部を合わせて77社と3期連続で増加しました。上場企業の不動産売却が、なぜ3期続けて増加に至ったのか。今回はその背景について考えます。


保有資産を有効活用して財務体質の改善を図る

2014年度中に国内不動産を売却・引き渡しを行った77社を業種別で見てみると、小売業と電気機器関係が8社ずつでトップとなっています。

☑ 小売業と電気機器関係…8社
☑ 卸売業…7社
☑ 建設業…6社
☑ 化学とサービス業…5社


都心物件を見てみると、不動産国内最大手の三菱地所が千代田区丸の内のみずほ銀行前本店ビルをみずほフィナンシャルグループに譲渡し、365億円を特別利益として計上。さらに、ブラザー工業が新宿三丁目の賃貸ビルを売却し、163億200万円を譲渡益として計上しました。
これらの売却は、昨今の市況回復を受け、保有資産の見直しを図ったものと思われます。実際に、国土交通省が2015年3月に発表した公示地価(2015年1月時点)によると、全国の商業地が7年ぶりに前年比より増減ゼロとなりマイナス圏を脱出。さらに、東京・大阪・名古屋の3大都市圏はいずれもプラスに転じています。
上場企業による不動産売却が増加している背景には、こうした地価の上昇をきっかけに保有資産を売却することで、財務体質の見直しや利益の上積みを図る動きがあったようです。また、ソニーが、保有資産である御殿山テクノロジーセンターを一部売却することで得た148億円を営業利益に含めたように、不動産売却によって厳しい経営状況のなかでも営業利益を確保するというケースがあったと推測できます。


国内拠点の縮小傾向が不動産売却を後押し?

東京商工リサーチが行った企業不動産調査によると、上場企業が売却した土地の面積が1万平方メートル以上の大型物件は25件と前年度から横ばいで推移しました。日本研紙の9万4784㎡が最大で、これは、同社が新工場の建設予定地として保有していた広島県尾道市の遊休地を、同じく広島県尾道市の三和鉄構建設に譲渡したものです。また、自動車部品メーカーの日信工業は、長野県の8万3648㎡の工場用地を売却。いずれも、新たな投資を避けて保有資産の活用を選択しています。


今後も活発化が予想される、上場企業の不動産売却

現在、日銀の金融緩和も手伝って、活気を見せている不動産市況。円安基調のなか、国内生産回帰の動きや外資による不動産への投資の増加が予想されるため、上場企業の不動産売却の動きはさらに活発化しそうです。