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企業価値を高めるCRE戦略の必要性と課題とは

ヒト・モノ・カネ・情報に続く第5の経営資源とされる不動産。この不動産が、日本企業が保有する資産の実に36%を占めることから、企業不動産(CRE)をいかに戦略的に管理・運営するかが企業価値を決めると言っても過言ではありません。そこで今回は、不動産の潜在的価値を引き出し、企業価値を増大させるためのCRE戦略についてご紹介します。


CRE戦略が重要視される背景

CRE戦略はなぜ企業にとって必要なのか。以下のような理由が挙げられます。

1. 投資家をはじめとするステークホルダーへの説明責任
近年、ステークホルダーは“モノを言う株主”として企業の経営戦略に介在してきました。今、企業は不動産を「持つ」「借りる」意味を問われ始めています。

2. 減損会計をはじめとする一連の会計制度改革
会計制度改革により、キャッシュフローを重視し資産効率を極大化する必要が出てきました。不動産はB/S(賃貸対照表)で占める割合が高く、企業価値へのインパクトも大きいためです。

3. 不動産価格の変動による価値リスクの顕在化
バブル絶頂期や崩壊後の地価動向が画一的だった時代とは異なり、近年の地価動向は、立地をはじめさまざまな要因によりその価値が変動的で運用方法も異なるため、戦略的に展開が必要です。


CRE戦略の今後の課題

一部の大企業を除いた多くの企業ではすでにCRE戦略が必要だと認識されているにも関わらず、具体的な取り組みを実践している企業はまだ少ないと思われます。その最大の要因は、企業不動産の情報が散在し、管理が一元化しにくい・されにくい状況にあります。
CRE戦略のPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルの前に、まずは情報収集が必要です。企業が利用している不動産はどこにどのくらいあるのか、不動産のいわゆる「棚卸し」が必要となります。しかし、そのためには企業不動産の情報を一括して管理する部署や仕組みを用意しなければならず、それらがなかなか追いついていないのが実情です。
このような一般企業のCREへの取り組みの遅れをビジネスチャンスと捉えたのが不動産各社です。これまでに蓄積した不動産の再開発や運用ノウハウを活かし、企業に多様な不動産活用を提案して本業のビジネス拡大を図ろうとする動きが目立ち始めています。
CRE戦略とは、単に所有不動産を処分し、目先の収益を改善することではありません。企業価値を向上させていくための経営戦略を実現していくうえで、重要なツールの一つです。会計制度の変更の有無に関わらず、大切な経営資源である企業不動産をどのように活用することが最も望ましいのか、どの企業も真剣に考える必要があるでしょう。